Internationalization of JILM

何とも大風呂敷を広げたような題名でせん越ですが, 当軽金属学会の国際化に関 して本欄を借 りて一 言述べさせて頂 きます。 本学会は, その規模において近年ほぼ成熟に達 した感がある。会員数をはじめ, 春秋の大会における 講演件数や参加者, 学会誌の論文投稿数や年間ページ数などもここ数年あま り増加はしていないように 思える。これを打破 して今後の飛躍を図るにはどうすればよいだろうか。それには, 国際化を図ること により学会の裾野を広げることが肝要であると考えられる。 当軽金属学会は世界的にも極めてユニークな学会で, その活動を通 じて, とくに軽金属に係わる工業 技術の一次情報の提供機関としてすでに世界的にも重要な地位を占めているものと思われる。例えば, 西独の専門商業誌である Aluminium 誌が ここ数年の間「軽 金属」に 掲載された研究論文の英文要約を 掲載 している。たまたま「軽金属」が ほとんど日本語で書かれていることもあろうが, このような世界 的な商業誌が二番煎 じを掲載する価値を認めるほど「軽金属」の 提供する情報の価値が高いとい うこと がいえよう。Aluminium 誌は,「軽 金属」の 論文の英文要約についてもその著者に原稿料を支払ってい ると聞いている。 それから, World Aluminum Abstract をみると「軽金属」の 論文のいくつかが英文に全訳されて, 欧 米で印刷物 として出回っているのに気付 く。誰が翻訳 し, どのような機関で発行して, どのようなルー トで出回 っているのか私は知 らないが,「軽 金属」誌 を読みたいとい う要望は世界的なものであること は疑いない。前年度の学会活動報告によると,「軽金属」の海外発送部数は105部 となっている。韓国27 部, 米国24部などが主で, 他の国はすべて10部 以下に過ぎない。 したが って,「軽 金属」か ら情報をキャッチしたいという要望は世界的に強いが, 現在の「軽金属」 では言葉の障壁 もあるため, そのままでは有効な情報 として世界では通用 しない。「軽金属」は情報源 としては世界的に十分活用されるに至 っていないことになろう。これは学会誌本来の機能を世界的には 果たしていないことを意味 していよう。もっと「軽金属」に 掲載された研究成果を海外にも広 く紹介す ることにより, わが国の軽金属関連の工業技術の発展の実態を広 く認識 して貰 うことも本学会の責務で はないだろうか。 われわれは, また, 学会活動を通 じて世界の最先端の生の情報に接することも期待している。このよ うな意味においては, 当学会では日本人同士の情報交換の場に終わっており, 諸外国の先端情報は二次